今日僕はザフトの軍に入隊した。
OSの作業のことで抜擢があったからだ。
そして、僕にはストライクのパイロットと言う、仕事が与えられた。
だけど、噂に寄ると、僕はそれだけで抜擢されたわけではないらしい…。
一体何だろう?
ザフト服
「新しく入った隊員知ってるか?」
「当たり前だろ。めっちゃ可愛いよな。」
「俺たちにとってのアイドル様だな。」
「あぁ、そうだな。」
キラがザフト軍に入ったことはすでに噂になっていた。
それは、もちろんキラの容姿のことである。
その可愛らしい容姿から、みんなの注目の的となり、
更には、アイドル的存在にまで祭りあげられていた。
そして、その中にすでにキラの存在を知っている人間が居る。
キラの幼馴染みである、アスラン・ザラ。
彼は、X−303AGISのパイロットである。
キラが軍に入る情報は彼が一番早く知っていた。
更に、アスランの話により、キラの存在を知っているのはあと3人。
X−102DUELのパイロット、イザーク・ジュール。
X−103BUSTERのパイロット、ディアッカ・エルスマン。
X−207BLITZのパイロット、ニコル・アマルフィ。
彼らは、容姿ともに才色兼備なメンバーである。
彼らは、もちろん、キラに興味があった。
アスランに自慢気に散々可愛いと写真を見せられ、散々キラの性格のことなど話をされ、
聞き飽きて居たはずなのに、何時の間にかキラと言う存在が気になっていた。
そして、みんながみんな、恋に落ちたのだった。
その中でも、イザークとアスランは、キラにはかなりの執着を持っていた。
仲の悪い二人だが、キラの話となるとよく合っていた。
そして二人は、早くキラに会いたいと願っていたのだ…。
特に、イザークはアスランと違い、あまり面識がない。
アスランは、軍の休みの日にたまに会いに行っているようだったが、
自分は、キラと言う存在にあまり知られていることがないだろうから。
たった、一度だけ、軍の基地に訪れた時だけ…、
キラとは目も合わなかったし、
話したわけでもなかったのだ。
二人は、キラが来る事を待ち遠しく思っていた…。
その頃、キラは、隊長であるラウル・クルーゼに呼び出されていた。
彼は、戦艦ヴェサリウスのクルーの一員となったからである。
「キラ・ヤマトくん、君は本日付でクルーゼ隊に配属された。
今日から軍人として働いてもらうが、まだ初めてなので、
何かと分からないこともあるだろう。
そのことを考慮し、今日の仕事はオフにしてある。
なので、艦の中の散策でもしたまえ。」
クルーゼにそう言われて、キラは、
「分かりました。恩情感謝します。」
と、答えた。
「部屋の場所は、先日話した通り、同じパイロットである、
アスラン、イザーク、ニコル、ディアッカの4人の部屋の傍だ。
これは、君の部屋のカードになる。」
クルーゼは、キラに部屋のカードキーを渡し、無くさないようにと注意した。
「確か、部屋の番号は105でしたよね。」
「あぁ、そうだ。最初にカードを差し込んで、自分のカードの番号を登録するように。
何か判らないことがあったら、傍の部屋に居る者たちに聞くのもいいだろう。
確か、君はアスランとは友人だそうだな。」
キラはコクリと頷くと、アスランのことを思い出した。
アスランは、ずっと仲の良かった友達だったし、
休みの日は遊びにきてくれていたから今でも大切な友達である。
同じ軍に入ることが決まった時は、
彼にすぐ報告し、お互い喜んだものであった。
「何か判らないことがあれば彼に聞けばいい。
世話役として、彼にもそう伝えてある。」
「ありがとうございます。」
キラは、深く礼をした。
「話は以上だ。それから、これは、軍の制服になる。
艦をうろつくならば、こちらに着替えておいた方がいいだろう。
では、今日はのんびり過ごすように。」
キラは、一礼すると、部屋を出た。
「隊長はまじめな人なんだなぁ。
やっぱり軍隊の隊長なだけあるんだね。」
そんなことを言いつつ、キラは自分の部屋へと移動した。
部屋の前に着くと、早速カードを差し込んで番号を登録した。
すると、プシュッという音がして、扉が開いた。
「セキリュティがしっかりしてる。すごいな〜。」
そして、部屋に入ってあちこちの家具をチェックした。
「荷物はとりあえず、ここに置いとけばいいかな。」
荷物をとりあえず、ベッドの上に置くと、キラは部屋をぐるりと見渡した。
「とても、広い部屋だな〜。」
そして、ふと、アスランのことを思い出す。
「アスランどこに居るんだろ?部屋の方に居るのかな?
どうしよう…。とりあえず、軍服にも着替えなきゃいけないし…。
だけど、せっかくオフにしてもらったから艦の中も探検したいしな。」
キラは、しばし、考えたが、クルーゼ隊長に言われた事を思い出し、
着替えてからアスランのところへ行くことにした。
そして、小さなカバンに軍服などを詰めて持って行った。
艦の中をうろうろしていると、なぜかやたらとジロジロ見られた。
それは、キラの容姿見たさに見に来たクルーたちだったのだが、
キラはなぜ見られているのかよくわからなかった。
「入ったばっかりだからかな?それとも、私服の人が居るから不自然なのかな?
早く着替えた方がいいかも…。」
キラは、早く着替えた方がいいと思いパイロット専用の更衣室に急いで向かった。
プシュ。
扉が開いてキラは少しとまどいながら中に入った。
キラが更衣室に入ると、誰もいないようで、静かな空間であったからほっとした。
「静かなとこでよかった。騒がしいのとかダメなんだよね…。」
中のロッカー棚の方に寄ると、ロッカーのところにキラの名前の入ったプレートが付いていた。
その為、キラは正直驚いた。
「うわぁ、準備も早いなぁ〜。凄い凄い!!
あっ、プレートが付いてるってことはここを使っていいんだよね?」
ロッカーを開けて、荷物をキラは置いた。
そして、カバンの中から軍服を取り出す。
「軍服…、僕に似合うかな。」
袋を開けて、手に取ってみる。
すると、新しい服の匂いがして、キラはドキドキした。
「いきなり着ちゃうのもいいけど、汗かいちゃったからシャワー浴びてからにした方がいいかな。」
キラは一度制服を置くと、更衣室に備え付けてあるシャワーを浴びることにした。
シャワールームは誰も居ないようなので、キラはゆっくりと浴びる。
一番端の場所で一人の男がシャワーを浴びているとも知らずに…。
その後、キラはタオルで全身を包んで戻ってきた。
髪からはまだ、少し水が滴っている。
「誰もいないし、着替えちゃって平気かな…。」
キラは、タオルを落とすと、上の制服に袖を通す。
そして、少し大きく作ってある服にドキドキした。
「うわっ、少し大きめに作ってある。僕まだ身長伸びるか分かんないけど嬉しいなvv」
しかし、いざ前を閉めようと思ったとき、
キラは数秒後大変なことに気が付いた。
それは、どうやって着ればいいのか分からないことだった。
「ザフト軍の人が着てるのはよく見るけど、着るの初めてだからどう着たらいいのか分かんない…。」
キラは、今まで軍服など、見ているだけで、着たことはなかった。
その為か、全くどうやってやればいいか分からないのである。
キラは、かなり困ってしまった。
かと言って、この部屋には自分一人のはず…、
聞くにしても、知らなかったなどと言いたくないし、
この格好で出るのも恥ずかしい…。
そして、キラは一瞬アスランの顔が思いついた。
しかし、今アスランがどこに居るかキラには全く分からない。
アスランなら助けてくれるだろうけど、どうしようとキラは思考錯誤した。
『ふぇ〜ん…。アスラン助けて〜!!』
そう、心の中で思うしかなかった。
すると、ドアが開いて、
自分が来て欲しいと願っていた人物がやってきた。
一瞬キラは願いが通じたことに感謝する。
「ア…アスラン…!!」
「キラ、ここに居たんだね。少し探しちゃったよ。」
キラは、アスランとつい最近会ったばかりなのに、久しぶりに会ったような気がした。
そして、アスランと言う存在に安堵する。
しかし、自分の今の格好にハッとした。
現在の自分と言えば、素肌の上に、軍服の上を羽織っているだけであることを思い出したのだ。
その為、白い肌と生足が思いっきりアスランに見えてしまっていた。
その一方で、キラの大胆な格好に、アスランは顔を真っ赤にし、
思いきり目を開いて、その姿を見ていた。
「うわぁ!!!!恥ずかしいから見ないで〜////」
キラは、前の合わせを引っ張って一生懸命隠した。
そして、あまりの恥ずかしさにしゃがみ込んでしまう。
「キラ…相変わらずだね…ιι」
アスランは、必死に自分の理性を抑える。
そして、キラに手を出さないように必死に堪えると、キラの傍に寄って肩に手を置いた。
「大丈夫だよ。扉は閉まってたし、見たのは俺だけだと思うから。」
そう言うと、キラは涙目でアスランを見上げた。
「本当に?」
「本当だよ。」
すると、キラはほっとしたような顔をした。
そして、アスランに軍服の着方が分からないことを説明した。
「なんだ、そうだったのか。それだったら俺が着させてあげるよ。」
アスランは、笑顔でそう答えつつ、
内心はかなり理性と戦っていた。
そんなことも知らずに、キラは、そう言ってくれたアスランがとても嬉しく思っていた。
しかし、次の瞬間。
「俺が着させてやってもいいぞ…。」
と、言う声がして、二人は声のした方を振り返った。
そして、振り返った先に一人の男性がいた。
その時、キラは初めてこの部屋に自分の他にも人が居た事を知ったのだった。
「えっと…あの…。」
少し、濡れた銀糸の髪に、アイスブルーの瞳が印象的な人だった。
しかし、自分の行動を見られていたことと、自分が他の人のことに気付かなかったことに、
キラは、ぎくしゃくしてしまった。
しかし、キラはこの男の人を一度見たことがあった。
話したことがなかったが、一度ここを訪れたときに見た人だったから。
確か、アスランと同じパイロットの人だと隊長に聞いていた。
「イザーク!!なぜお前がここに居る!!」
突然のアスランの声にキラはびっくりした。
やはり、同じパイロット同士面識があるんだと言う事をキラは思った。
アスランは、イザークを鋭く睨みつける。
しかし、イザークは、不適に微笑むと、
「もともと、俺が先にこの場所に居たんだがな、
シャワールームから出ようとしたら、こいつが入ってきて、
出るタイミングを逃したんだ…。」
と、アスランに説明する。
キラは、自分が取った行動がやっぱり筒抜けだったことに赤面する。
まさか、人が居たなんてキラは、全く気付いていなかったし、
あまりにも静かだったから誰も居ないと思っていたものだから。
しかし、アスランは余計不機嫌になるばかりだ。
「それで?ず何も言わずにずっとそこに居たと?随分と悪趣味だな…。」
その言葉に、イザークも反応を示す。
「別にただ誰も居ないと思っていたようだし、
突然声を掛けてしまっては悪いと思ったから声を掛けなかっただけだ…。」
少し不機嫌になりつつも、アスランの相手をすることが面倒になり、
イザークは、キラの方に振り返ると傍まで来て止まった。
「お前が、キラ・ヤマトか…、俺はお前と同じパイロットのイザーク・ジュールだ。」
「あの…、よろしくお願いします…。」
キラは、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら、イザークに返事をした。
そして、イザークはアスランの方に向き直す。
「せっかくだし、二人でキラの服でも着させてやろうじゃないかアスラン?
お前だけ、こいつを独占しようなんてダメなんだからな。」
と、アスランに言う。
すると、アスランは、不機嫌な表情をしたままだったが、
「あぁ…そうだな。お互い抜け駆けは許さない約束だしな…。」
と、答えた。
キラは、分けがわからず首を傾げたが、この二人には何か秘密を共有していることは明らかだった。
もちろん、その内容については、二人にしか分からないことだが…、
アスランは、イザークへの表情を直し、キラの方に笑顔を向ける。
「さっ、キラ、着させてあげるからおいで。」
そう言われて、キラは恥ずかしがりながらアスランの傍へと寄った。
キラが寄ってきて、アスランと顔を合わすと、
アスランは、イザークと二人でドキッとした。
魅了するには十分なほどの濡れた栗色の髪に、アメジストの瞳…、
そして、ダメ押しとばかりに覗く、白い肌と白い足…。
それは、イザークとアスランの抑えていた理性を飛ばすには十分だった。
「キラは、相変わらず体が細いね。」
と、アスランがキラに詰め寄る。
「確かに、華奢な体だな。」
と、イザークもキラの傍に詰め寄った。
二人がキラの肌に触ると、キラはピクンと反応した。
「やっ…変なとこ触らないでよ……。」
キラは、ふるふると首を振るが、その反応が、とても可愛らしい。
そして、更にキラの体に触れながら二人でキラの頬にキスをした。
「どうやら、考える事は一緒のようだな、アスラン。」
「確かに。キラも罪な子だよね。何人もの男を骨抜きにするくらい可愛いんだから。」
キラは、赤面する頬と高潮していく体を隠そうと必死だった。
「二人…とも…何言ってるの…?」
すると、二人でキラの腰に腕を回して、
「これから、覚悟した方がいいよキラ?」
アスランが、笑顔でキラに言い放つ。
「そうだな。なんたって、二人の男に愛されるんだからな…。」
イザークも、不適な笑みで言う。
そして、二人で同じ言葉を紡ぐ。
「「一生逃れられると思わないほうがいい…。」」
二人は同時に同じことを言ったので、顔を見合わせて笑った。
キラは、突然の二人の告白に更に顔を真っ赤にしたのだった。
「ふえぇぇ…!?そ…そんなぁ…!?」
しかし、キラにはどうやら拒否権はないようだった。
アスランとイザークは再度キラにキスを落とした。
その後、キラはアスランとイザークの危ない行為をされつつも、
二人に服を着せてもらったのだったvv
二人の男に愛されてしまった少年は、これから退屈する暇もなくなりそうだ…。
ザフトキラが初めて軍服に袖を通すならこんな感じがいいよね♪
しかし、相変わらずベタな内容ですいません…(汗)
でも、これを読んで更にキラを好きになっていただけたなら嬉しいですvv
また、書きたいっすね。
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