お前がそこに居るなら、俺はそこに会いに行こう…。
お前が大切だから…。
お前を愛しているから…。
戦わなければならないはずの相手…。
だけど、互いに愛し合っている…。
だから、戦闘でいくら本気のフリをしても、
相手には、手を抜いている事が伝わっている…。
お前も俺を殺そうとはしない…。
他の誰かに攻撃もさせない…。
もしも、誰かがお前を殺そうとしたら、
そのときは、俺がお前を殺すから…。
潜入。
もともとは、アスランの提案だった。
AAをオーブが匿っていることは確かだったはずだから。
オーブ側の発表に納得のいかなかった俺たちは口喧嘩になっていた。
しかし、隊長であるアスラン・ザラが潜入をすると言ったときは正直驚いた。
だが、驚いている反面、別のことも考えていた。
(もしかしたら、キラに会えるかもな…。)
と…。
アスランもキラのことが気になっていたのだろう。
できれば説得して、こちらの仲間になってもらいたいだろうから…。
俺は、アスランのことなどどうでもよかったから、
キラのことを考えていた…。
キラとはずっと前に会った事があって、
傷の復讐をするつもりだったが、
キラの容姿を見て、復讐どころか、
一目惚れしていた…。
これがパイロットか?と思いたくなるような華奢な身体、
サラサラと風になびくマロンブラウンの髪。
そして、人を釘付けにして離さないアメジストの瞳。
その全てに惹かれた…。
しかし、お互い敵同士…。
その為か二人は内緒の付き合いとなっていた。
互いが愛し合っているからそれでいい…。
二人だけで時に会って会話をしたりするだけでも…。
だけど、出来るなら戦いたくなんてないのが本音だったりする…。
しかし、アスランの説得でも、
俺の説得でも動かないキラ…。
だけど俺はキラが死なないならそれでいい…。
キラも俺が死なないならいいと言っていたから…。
例え互いが戦わなくてはならなくても…。
俺は殺さない…。
お前も俺を殺さない…。
もしも誰かがお前を殺そうとしたら、
俺がお前を殺す……。
そして、今回の潜入作戦。
もし会えるなら、こっそり会ってやろうなどと考えてる自分がいたり…。
「待っていろよ、キラ…。」
こっそりそんなことを声に出していた。
しかし、誰も聞いていないため独り言で終わってくれたようだ。
アスランが親友であるキラのことを考えていたからついつい、
「もしかしたら、ストライクのパイロットの顔が拝めるかもな。」
などと言ってしまった。
その言葉に微妙に平静を保っているように見せるアスランが反応したのを尻目に、
その部屋をディアッカと後にして、潜入作戦の準備に取り掛かった。
潜入した後、作業員の服に着替えてカードを受け取った。
キラの付けた傷をあまり見られないようにする為に深く帽子を被ることにした。
今回の任務は二手に分かれて内部情報を調べてくる作戦だが、
アスランの命令などお構いなしに、俺はディアッカと更に分かれ、
内部の情報を探る事にした。
アスランもキラの探索とAAの情報収集が目的だと思ったし。
俺としては、一人の方が行動しやすかったから。
カードで進入できる範囲が決まっているからキラを探すのには苦労した。
途中、通気口を通り、イロイロな部屋を探索した。
その中で、一つの情報を手に入れることに成功した。
『コーディネーターの子供にMSのOS部分の技術協力をさせているらしい…。』っと。
キラの顔が過り、そいつらの話からキラの部屋の場所が分かったので、
素早くその部屋へと移動した。
コンコン…。
その音に、キラはパソコンの画面から顔を上げた。
「どうぞ…。」
そう言われてイザークは自動ドアが開いた後、一歩足を踏み入れた…。
「キラ…。」
「その声は…イザーク!?イザークなの!?」
キラは驚いた顔でこっちを見ている。
イザークは更に部屋の中に入り、
他の人が入れぬように…、邪魔をされないように鍵を閉めた。
「あぁ…、俺だ…。元気にしてたか…?」
すると、素早くキラが駆け寄ってきた。
オレンジ色の作業員服を着ているキラがちょっと可愛いと思ってしまった…。
「イザーク!!会いたかったよ…。」
キラが抱きついてくると、イザークはその華奢な身体をしっかりと抱きしめた。
そして、キラの前で帽子を脱いだ。
キラの顔をしっかりと見る為に。
キラに自分の顔を見せる為に。
「久しぶりだな…キラ…。今回潜入作戦でな。しかし、俺は単独でお前に会いにきた。」
そう呟くと、キラは嬉しそうに顔を上げてイザークの瞳を見つめる。
「僕のためなんて…。凄く嬉しい…。」
「技術協力で、誰ともあまり会話してなかったから凄く寂しかったんだ…。」
本当に寂しかったとキラは何度も告げた…。
「お前の事が気になってな、どうしていたかと思っていたぞ。」
イザークのアイスブルーの瞳はキラをしっかりと見つめ、
キラに優しい笑顔を向ける。
キラは、その瞳に自分が映っていることがとても嬉しかった。
「大丈夫、お前は一人ではない。俺がいつもお前を思っているから…。」
優しく、そっと、キラをあやすように投げかける。
キラはその言葉で笑顔になる。
「うん…。イザーク大好きだよ…。たとえ、敵同士であっても…。
僕はずっとイザークのことを思ってる…。」
「俺もずっとお前を思っている…。」
そうして、互いに見つめ合い、キスをする…。
深く、長く……。
離れるのを惜しむように…。
離れたくないと願うように…。
互いの熱をしっかりと絡め取るように…。
そうして、唇から離れた…。
「イザーク…。離れたくないよ…。」
「俺もだ…。」
互いに抱きついたまま沈黙する…。
「しかし、大丈夫だ…。俺たちは互いに思いあってるだろ…?」
そう言うと、キラは突然イザークの首筋にキスをした。
「えへへvvじゃあ、それまでこのキスマークが僕が愛してる証♪」
そんな、可愛いキラを見て、イザークもキラにキスマークを付ける。
「じゃあこれは俺の証…。」
イザークのその瞳にキラは真っ赤になった。
「もう…///だけど、これすぐ消えちゃうよ?」
「そうしたらまた付けに来るさ…。」
イザークがそう告げるとキラの表情が変わる。
まるで子猫のように…。
「本当?」
その言葉が真実であるかキラはイザークに確かめた。
「本当だ。またきっと会いに来るさ…。」
『お前の為なら…。』
イザークは、キラの耳にそっと呟いた…。
「じゃあ、約束!!」
キラは、小指を突き出す。
「あぁ、約束だ。」
互いに指きりをすると、イザークはまた深く帽子を被った。
「それじゃあな。そろそろ見回りの人間も来る頃だしな…。」
そういって、イザークは扉の方へと歩いて行く。
「イザーク…。気を付けてね。」
少し心配するように言った。
「大丈夫だ。これでもザフトの一員だからな。」
キラに心配ないと笑みを向けた。
キラは安心すると、イザークを送り出した…。
次はいつ会えるか分からないけど、
僕はきっと大丈夫。
あなたの心がいつも側にあるから………。
イザークの作業員服見て、こんなのいいなぁとか思いました。
もしも互いに顔を知ってて、愛し合ってたらみたいな感じのヤツ…。
みなさん気に入ってもらえたでしょうかね。
感想よろしくです〜。
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