いつもの通り、平凡に一日を過ごして、

夜になったらお泊り道具を持って、

幼馴染みのアスランの部屋に行き、

二人で会話をしながらおやすみと一言言った後、

朝までぐっすり寝て一日を終わる。

そんな同じような毎日を繰り返していたから、

こんなことありえないと思っていたのに…。

目の前の現実が信じられなかった。





















女体化?















朝、目が覚めてぼんやりとした視界の中、

キラは軍の起床時間より一時間早く目を覚ました。

隣にはまだ寝ているアスランの寝顔がある。

心地よさそうに寝ているので起こさないでおこうとキラは思う。

そっと身体を起こしてキラは洗面台へと向かった。

まだ眠い目を擦り、冷たい水を手に掬って顔を洗う。

その後、顔をしっかりとタオルで拭いてきちんと目が覚めた。



そして、ありえない現実を目撃した。



「…なんで、女の子になってるの…?」



キラは、かなり驚く。

キラは、れっきとした男のはずだし、

軍の登録の際、性別は調べられた。



だから、目の前の現実が信じられなかった。

自分が着ている白いだぼだぼの長いシャツの下が、

はっきりと女性特有の膨らみを帯びているし、

胸が透けているので自分が女性になっていることが歴然として分かる。



「…!!!!!!」



キラは鏡に張り付いた。



「本当に自分!?だよね…!?

 でも、何で…!?別に悪いもの食べたわけじゃないし…。」



もともと、身体が華奢だったのも、

足が細く色も白かったのも、

女の子みたいな顔をしていたのも自覚はしている。

散々他のみんなに言われたので認めもした。

だが、自分は確かに男だったはずなのだ。



キラは、アスランの寝ているベッドへと向かった。



「アスラン!!ねぇアスランってば!!起きて!!」



キラが身体を揺すると、

アスランは少し寝ぼけているが目を覚ました。



「なんだいキラ…?おはようのキスでもしてくれるの?」



そんな寝ぼけた事を言っているアスランに、

キラは自分の状況を分からせようと胸を触らせた。



「僕、目が覚めたら女の子になってたの!!

 何でだか分かんないけど助けて!!」



その胸の感触にアスランは一気に目が覚める。



「えぇ!!!!????キラ!?

 どうしたんだ一体!?まさか突然変異!?

 それとも、俺が願ってたことが叶ったのか!?」



そして、キラの姿を改めてしっかり見ると、

あまりの可愛らしさに鼻血が出そうになった。

しかし、鼻血が出ないように必死に理性を抑える。

だけど、どうしても言いたくなる。



「…キラ可愛い…vv」



すると、キラの右ストレートが飛んできた。

それは見事にアスランの顔面に当たる。

息を荒くし、一息すると、キラはアスランに言った。


「そんなことよりも助けてってば…。」



アスランはごめんごめんと謝った。



「それにしても、本当に一体どうしたらこうなったんだ?」

「それは、僕にもよく分からないよ。

 でも、この身体で外は歩きたくない〜ιι」



アスランは、キラの肩を掴んだ。



「大丈夫。とりあえず軍服を着た方がいいね。

 他の誰かにこんなキラのあられもない姿見られたくないし、

 最悪の場合、俺がキラをお嫁にもらってあげるから安心してvv」



その言葉にキラはちょっと悲しかったιι



「ありがと、アスラン。

 でも、必ず元の姿に戻りたいから協力して?」



その言葉にアスランはもちろんと答える。



「俺はキラがどっちの姿でも愛していけるよvv

 だからキラの意見を尊重するし、

 一緒にがんばろう♪」



キラはアスランの言葉に感謝した。



「とりあえず、軍服着るね。

 でもその後、どうしよう…。

 お昼食べるにもこのままじゃ恥ずかしいし…。」



困った事態に対し、アスランは1つ提案した。



「ご飯は大丈夫だよ。パイロット専用の休憩所で食べればいいじゃん。」



アスランの何気ない一言にキラはそうだね。と答えた。

そして、キラは着替えることにし、

風呂場に行って着替えてくると紅い軍服に身を包んで戻ってきた。



「胸を包帯で巻いてみたんだけど、きつい…。」



アスランは大丈夫?と、聞いてキラの手を引いた。



「少し我慢してね?朝ご飯食べたらすぐ戻ってきて、

 包帯取ってもいいからさ。」

「うん。分かった…。」



アスランとキラの二人は、

廊下に誰も居ないことを確認すると、

素早く移動した…。



























さすがに、パイロット専用の休憩所とあって、

キラとアスランの二人以外はまだ誰も居なかった。



「ご飯取って来るからキラはちょっと休んでて。」



そう言うと、アスランは、食堂舎へと向かった。

一人になったキラは、アスランが返ってくるまで暇なので、

とりあえず、肩に乗せて連れてきたトリィと戯れる。



すると、扉がスライドする音がした。



キラはビックリして自分の今の状況がバレないように、

慌てて体育座りをしてソファの上に座った。



「なんだ、キラじゃないか。

 どうしたんだ?こんな所で…。

 朝飯は食いに行かないのか?」



入ってきた人物はイザークだった。

少しほっとするものの、気を抜いてはいけないと思い、

しっかりと気を持つ。

すると、もう一人一緒に来ていることが分かった。



「あれぇ?お姫さんじゃん。どうしたの?」



顔を見せたのは、イザークとよく一緒に居るディアッカだった。



「二人ともおはよう。えっと、アスランを待ってるんだ。

 ちょっと調子が悪くてここで食事取ろうと思って。」



すると、二人は心配するような顔をした。



「大丈夫なのか?熱があるとかか?」

「風邪引いたとか、お腹が痛いとか?」



自分の事でこんなに心配してくれる友人に、

キラはとてもありがたいと思ったが、

今は自分の状況として、

その優しさは悲しいものでしかなかった。



「ううん。本当にちょっと体調悪いだけ、

 風邪引いてないし、熱があるわけじゃないよ。

 でも、ちょっと今近づいて欲しくないから、

 傍には寄らないでもらえる…?」



その言葉に少しの間の後、二人は分かったと言ってくれた。



「それじゃ、俺たち朝飯食べに行くから、

 お姫さんも早く元気になるといいね♪」

「ありがとう、ディアッカ。」



しかし、イザークの方は去ろうとしなかった。



「ディアッカ、先に行って、席を取っておいてくれないか?」



その言葉に、ディアッカは少々顔を歪めたが、

分かったと一言言うと、先に食堂舎へ行った。

















キラは困った。

イザークが残っているのは何かしら理由があってのことだろう。

ただ、今現在の状況として、キラはイザークに居て欲しくなかった。

しかし、イザークはキラの状況もお構いなしに、

キラの傍へと寄ってきた。



「あ…あの…、イザーク?

 あのね、本当に今近づいて欲しくないんだけど…。」



すると、キラの腕を引っ張って無理矢理引き寄せた。

キラは、イザークの胸に飛び込んでしまった。

だが、一応包帯を巻いていても、

身体が密着するとバレる可能性があるので、

慌てて腕を間に挟んで、

身体を密着させることを防いだ。



「一体どうしたんだ?いつもなら、

 こんなに冷たい行動をお前は取らないだろう?」



確かに、キラはみんなに滅多にこんな態度を取らない。

キラが熱を出しても、傍に寄って欲しくないなどとは絶対言わないし、

心配してくれるみんなに対して、

いつも笑顔でありがとうと答えるのに、

キラは、何故か距離を取る。

そして、今は目も合わせようとしない…。



キラはイザークの胸に顔を埋め、

下を向き、自分の身体が見えないように、

女になっているとバレないように必死だった。

そんな態度を取るキラにイザークはイライラした。



「キラ…。俺の目を見ろ。」



少し怒りを含んだ言い方なので、

キラはイザークが怒りつつあることを悟った。

そしてどうしよう、と冷や汗をたらしながら必死に考えた。



イザークはキラを見下ろし続ける。

キラはその視線がブスブスと突き刺さるのを感じる。



少し沈黙が続いた後、ついにキラは観念した。

涙目になりながら、キラは顔を上げてイザークの瞳を見つめる。



「…言うけど、絶対誰にも言わないで…。」



そう言ったキラに、イザークは分かったと答えた。



「実はね、朝起きたらこんなことになってたの。」



キラは、少し包帯を緩め自分に胸があることを分からせた。

すると、イザークは驚いた顔をして、キラを見た。

だが、キラが女の子になったという非常事態なのに、

イザークは内心、そのあまりの可愛らしさに、

恋人に欲しいなどと思いつつ、

顔を真っ赤にし、くらくらと来る衝動に堪えていた。



「イザーク?どうしたの?」



そして、その愛らしい、女の子の丸みを帯びた、

キラの顔が覗き込むと理性が飛びそうで怖かった…。

更に、だんだん恋人でなくいっそ嫁に欲しいとアスランと同じことを考えていた。

イザークはそんな考えを悟られてはなるまいと冷静を保つ。



「いや…何でもない…ιι

 そうか、それで?原因は分かったのか…?」



動揺を必死に隠し、イザークはキラに質問する。



「それが、分からないんだ…ιι

 目が覚めたらこんなことになってて…。」



しかし、どう見たって今のキラは女の子だ。

見てみたかった気持ちも随分昔にあった。



イザークは、少し残ったことを後悔し始める。

キラの女の子の姿を見られたのは嬉しいが、

かなり理性を保ち続けるのに限界が来そうだと思うからである。

イザークは心の中で助けを呼んでしまいたかった。



すると、そんなイザークの願いが届いたのか、

食事を取りに行っていたアスランが休憩所に戻ってきた。



「イザーク!?お前ここで何やって…。」



アスランはすぐに部屋の中に居るキラが、

イザークに自分の事態をバラしてしまったことを理解した。

多分、イザークの威圧に堪えられなかったのであろうこともすぐに分かった。



「キラ…ιι」

「ごめんιιアスラン…ιι」



キラの女の子姿を見れたのは自分だけになると思っていたのが、

イザークにバレてしまったのは少々残念な気持ちもあるが、

優しいキラが誤魔化しが利かないのも幼馴染みである自分には重々承知だった。



「イザーク。知ってしまったからにはこの事は他のヤツらには内緒だぞ。」

「あぁ…ιι当然だ…。」



そのイザークのいつもの態度の違いに、アスランは驚いた。

しかし、すぐに何故人の言う事に従ったのかはすぐに理解した。

きっと、キラの姿を他のヤツらに見せたくない気持ちをイザークも分かったのだろう。



「さてと、結局何でそうなっちゃったのかなぁ…。」



アスランはキラの女体化の問題について話出す。



「そうだな…。キラ、お前本当に何か食べたとか飲んだとか、

 頭打ったとか、何もないのか?」



キラは、う〜ん。と唸る。

そして、突然手を叩いて閃いたとばかりの顔になる。



「確か、昨日、ニコルとお茶をしてお菓子をもらったりしたような。」



その言葉に、二人は一気に肩を落とした。

原因はやっぱりニコルであることに二人とも理解を示す。



「キラ、犯人分かったから本人に話を聞きに行こう?」

「えっ!?犯人もう分かっちゃったの?」



更に、キラの鈍感さに二人は肩を落とした。

そして、3人はニコルの部屋へと向かった。

















部屋には待っていました、と言わんばかりに、

優雅にニコルがお茶を飲んでいた。



「3人とも遅かったですね♪」

「やはり、犯人はお前かニコル!!」



そして、にっこりと笑顔になる。



「僕以外に誰が居るんですか?

 でも、二人とも随分いいこと合ったと思うんですけどねぇ…vv」



その言葉に二人はうっ。と行き詰まる。



「しかし!!キラは軍人である分けだから元の姿に戻ってもらわないと困る!!」



内心は、可愛いキラが見れなくなるのは寂しいと思っているアスランだが、

その反面、キラに寄ってくる虫が更に増えると困るとも思っていた。



「そうだな…。俺もアスランと同じ意見だ…。」



珍しく意見に賛同するイザーク。

もちろん中身はアスランと考えている事一緒(笑)

ニコルは、大丈夫ですと答えた。



「効果は一日で切れますからご安心を♪

 キラさん、ちゃんと戻れますから心配しないでくださいね?」



ニコルの言葉にキラはほっとすると、よかったと一言洩らした。















そして、次の日、キラはちゃんと元の姿に戻っていた。

ただし、またキラの女体化が見たいと思ってしまった男が、

二人居るのでご用心♪












キラの女体化が書きたくて書いちゃいました。
いかがだったでしょう?

だけど、自分的にかなり楽しかったからまた書きたいかもvv
次回をお楽しみに〜(←書くのか?)






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