それはある日のミネルバ。
お客人はAAの皆様。
内容は艦で行う交流会。
招かれたのは、
フリーダムのパイロット、キラ・ヤマト。
オーブ首長+ストライク・ルージュのパイロット、カガリ・ユラ・アスハ。
歌姫+影の支配者、ラクス・クライン。
AA艦長、マリュー・ラミアス。
名称砂漠の虎+マサムネのパイロット、アンドリュー・バルトフェルド。
等など…。
さてさて今日はどんな一日になるのやら…。
One Day
「いらっしゃいvvキラぁvv」
「あ…アスラン…;;そんなに喜ばなくても…。」
AAの来賓が着艦した直後迷わず恋人の下へ駆け寄った1人の青年。
その人物はキラの訪問に一番喜んでいた。
青年は現在ミネルバに配属されたフェイス兼隊長のアスラン・ザラ。
しかしキラの前ではまさに主人の帰りを喜んでいる犬状態にしか見えない…;;
アスランはキラにハートマークを全開で飛ばしながら嬉しそうに引っ付いている。
キラは周りのことが気になる為嫌がる様子を見せつつも実は内心は凄く嬉しかったり…。
なぜなら、ミネルバに配属されているアスランにはなかなか会えない。
アスラン自身がそれを望んだのだからしょうがないと言えばしょうがないのだ。
その為今日は久しぶりに会える限りない1日であった。
だからキラはついつい嬉しくなってしまう。
「まぁ、今日ばかりは僕も甘えちゃおうかな?」
そのつぶらな瞳をアスランに可愛げに向けて余計嬉しがられたのは言うまでも無いだろう…。
キラはアスランにぴたりと引っ付いて二人で熱いハートを辺りに飛ばしまくっている。
しかし、その様子に2人程イマイチ納得がいっていない者もいる…。
「たっ…隊長!!何なんですかその人は!?」
「そうです、そうです!!」
もちろん納得がいっていないのはルナマリア・ホークとメイリン・ホークのホーク姉妹。
時の英雄アスランがもう1人の英雄であるキラにベタ惚れ状態なので仰天している。
それに彼女たちはアスランの彼女の座を狙っていた身である。
それがつい先日知り合った少年と恋人っぽい雰囲気なのだから納得がいかないのだ。
そして姉のルナマリアが疑問を発する。
「隊長はラクス様が婚約者じゃないんですか??」
ぷりぷりと怒りながらルナマリアがアスランに追求する。
その質問にいちゃいちゃしていた二人はきょとんとしてルナマリアの方を見た。
そして、アスランははっきりと告げる。
「ラクスとは『元』だよ。今の恋人は一応カガリだね。」
その言葉に更に驚きのホーク姉妹。
「アスハ代表とですか!?でも、そちらの方とは!?」
その切り返しにすぐに返答を返す。
「もちろん本命の恋人vv」
その言葉にルナマリアは気絶して床に突っ伏した。
しかし、メイリンはフラフラしつつもまだ耐えている。
そして、更にはっと思いすぐに立ち直る。
「あの!!ですが、ラクス様とアスハ代表は二人のご関係についてどう思われるのですか?」
メイリンの質問に悠然と二人の様子を見ていた二人はアスランとキラのようにきょとんとする。
そしてお互いに1度顔を見合わせてから微笑んだ。
「私はキラが幸せならそれで良いですわ。それに幸せそうにしている二人を見るのが好きですものvv
それに、キラは私のことも好きでいてくださいますから。承知していますのよ?」
淡々と語るラクスに続きカガリも語る。
「私も彼女と同意見だが、アスランはキラが中心に世界が動いてもいるしな。キラがいないと生きていけないようなものだ。
無下に引き剥がすと何時犯罪を犯すかもわからんし…;;」
ねぇ?などと語る二人にアスランとキラもえへへと笑って完璧に4人の世界に入ってしまった。
そんな4人にメイリンも眩暈がして倒れてしまう。
なんとも可哀想な姉妹だ…;;
失恋と同時にもの凄く強烈な現実が突き刺さったのだから…。
そして周りでその光景を見ていたクルーたちもある意味同情の念を送ったことだろう…。
それからひとまず落ち着いたところで他のクルーたちも挨拶を交わした。
「AA艦長、マリュー・ラミアスです。お久しぶりですねタリア艦長。」
「えぇ、お久しぶり。あなたとまたいろいろとお話がしたいわ。」
艦長同士で交友を深める二人。
そしてすぐに二人は艦のことについてやいろいろと話し合い始めた。
その端で先ほどホーク姉妹の横で話を聞いていたシンとレイがキラたちに話し掛ける。
「キラさんお久しぶりです。」
「あぁ、久しぶり。シン…君だよね?」
ちょこちょこと傍にやってきたシンに、
キラはアスランに抱きしめられたままだったが笑顔で答える。
「シンでいいですよ。あっそうだ、ほら!レイも挨拶しなよ。」
シンは横で黙って立っていたレイにも話を促す。
レイはそれぐらいはちゃんとするとばかりにシンの方を見てからキラたちの方に向き直した。
「お久しぶりです。」
「お久しぶり。」
キラはニコニコと挨拶を返してあげた。
そしてふと思い、シンの傍に寄ってキラは耳打ちする。
(いつも思うんだけど。彼、まじめな人だね?)
(えぇ。あんまりまだ慣れない人はちょっと苦手なんで…でもすっごいいいヤツなんですよ?)
ごにょごにょと話し合う二人にレイは訳がわからないので?マークが出ている。
シンの方をずっと見ているレイを見てキラはもしかして?っと思って更に耳打ちした。
(もしかしてシンって彼と付き合ってるの?)
(えぇ!?そ…そんな…こと…ないですよ…?)
(…シンって判り易いねぇ;;)
本当に判りやすく、シンは顔を真っ赤にして挙動不審に陥っていた。
嘘が吐けない性分何だなとキラは理解した。
(彼っていっつもシンのこと見てるから判り易いし、君も彼の前だとなんか嬉しそうに笑ってるからカマかけたんだけど…。)
そんなに判り易いのか?っとシンは恥ずかしながらもがっくりと肩を落とした。
そしてその様子をみたレイがシンの傍に寄ってきた。
「シン?大丈夫か?」
綺麗な髪をさらさらと傾けてシンを覗き込む。
「うわぁぁぁぁぁ!?レイ!?なんで何時の間にか俺の傍に居るんだ!?」
「お前が何故かショックを受けているように見えたからだ。」
シンはまた顔を真っ赤にするのだった。
「シン、顔が真っ赤だよ♪」
「大丈夫かシン?」
キラにはツッコまれ、レイにはまた心配される始末。
最終的にはシンは降伏した。
「あははvvシンって可愛いねアスラン?」
「まぁ、いじり甲斐はあるな。」
レイに顔を覗き込まれたままシンは顔を真っ赤にして動けないままだった。
そんなシンをアスランとキラは微笑みながら眺めていた。
それから一通りクルーたちの挨拶が終わった後、それぞれ散り散りに分かれていった。
そしてアスランたちの一行(アスラン、キラ、ラクス、カガリ、レイ、シン)は休憩室で話すことにした。
「それにしても、驚きました。隊長ってキラさんが本命だったんですね。」
「まぁ、小さい頃からの付き合いだからね。キラの可愛さに惚れちゃったのさvv」
「もう、アスランったら…///」
キラは嬉しそうにしながら顔を赤くした。
「キラ!こいつに変な事をされそうになったら直ぐに私を呼べよ?節操無しの変態なんだから。」
「そうですわ。いくら本命はアスランとは言え、キラは私にとっては大事な人ですから。」
あまりにもキラにベタベタと引っ付くアスランを見てカガリとラクスは断固として告げた。
そんな二人の言葉にキラは微笑んだ。
「ありがとう、二人とも。でもアスランは僕が嫌がることなんてしないから大丈夫だよvv」
「…キラ…vv」
キラのその言葉に感動してアスランはまたまたキラを抱き寄せるのだった。
しかし二人の熱々ぶりにシンは唖然としてしまうばかりだった。
「二人とも普段はまじめなのにこういう時はオープンなんですね;;」
シンの言葉にキラはえへへと笑う。
「やっぱり普段は会えないからね。君たちは普段いつも一緒でしょ?だから会うと嬉しくてしょうがないんだよ…vv」
へぇ、とシンは納得してしまう。
やっぱりお互いが思い合ってるから会えるとヒートアップするものなのかなぁなどとも解釈を始める。
「シンはレイと一緒に居られると嬉しくない?」
突然のキラの質問にシンはえっ?と拍子抜けな返事を返す。
「普段一緒にいるから人前ではさすがに…っとは思うだろうけど、やっぱり二人きりで居られると嬉しいもんじゃない?」
そう言われてシンは少し考えてから確かに、っと思った。
「確かに…その…レイのことはとっても好きです…/// 。」
照れながら言うシンにレイは横で嬉しそうな顔をした。
そんな二人を見てキラは良かった、と思うのだった。
「だから、二人とも一緒に居られるってことを大切にね?」
「「はい。」」
同時に返事をしたので、二人は驚いた。
そして、シンはレイの方を見て、レイはシンの方を見て苦笑した。
キラとアスラン、カガリとラクスは二人を見て微笑んだ。
「さて、じゃあ俺とキラはそろそろ席を外すかな。」
頃合とばかりにアスランが話は終わったとばかりに立ち上がりながら言った。
カガリとラクスもそうですねと言わんばかりに頷いた。
「えっ?アスラン??」
しかし理解できていないキラは疑問とばかりにアスランに尋ねる。
そんなキラを見てアスランはおいおいとばかりに溜め息交じりに答える。
「せっかくの『一緒に居られる時間』だろ?」
その言葉にキラはドキっとしてしまう。
そしてアスランにラクスとカガリが珍しくも救いの手を差し伸べた。
「そうですわキラ。今度はいつこちらに来られるのか分かりませんし。」
「そうだぞキラ。ほら、二人で話でもして来いよ。」
そうやって二人に背を押されてキラも立ち上がってドアの方に向かわせられる。
けれど、ラクスとカガリはちゃんと釘を刺すことも忘れなかった。
「あんまりひどいことをしないでくださいね?アスラン。」
「もちろんですよラクス。俺がキラを優しく扱わないとでも?」
「いや。暴走するなよ、と言いたいんだ!」
「はいはい分かってます。ちゃんと今日の夕方頃には返しますよ。」
そう言って、二人は廊下に出された。
廊下に出されたキラはアスランに怒鳴る。
「アスラン!!あのねぇ…!!」
「いいじゃないか、久しぶりなんだしいろいろ話し合おう…。」
「…うっ……う…ん…///」
怒ろうとしたのに自分に優しく微笑むアスランがあまりにもカッコイイからキラは何も言えなくなってしまった。
そんなキラの反応にアスランは喜んでキラに呟く。
「じゃあ俺の部屋にでも行こうかキラ?その方が誰にも邪魔されないし。」
「変なことしたら殺すからね…///」
あることが脳裏に過ぎったキラは顔を真っ赤にしながらアスランに言った。
アスランは顔を真っ赤にするキラを見ながら苦笑してしまう。
そしてキラの腰に手を回しながら、
「変な事って何?何勝手に想像してるの??」
「馬鹿!!もう知らない!!」
可愛い反応ばかりするキラにそう言って頭を撫でる。
キラはすっかり膨れてしまっている。
アスランはキラを宥めながら言った。
「でも、しょうがないじゃないか。久しぶりなんだから。少しぐらいいいだろ?」
そんな風にアスランが言うのでキラはその『久しぶり』と言う言葉に思いを募らせる。
お互いが会えるのは滅多にない。
それこそさっきシンに言ったセリフを思い出す。
だから勇気を振り絞ってキラはアスランに告げる。
「ちゃんと夕方までには帰してよ?」
「間に合わなかったら夜中に配達しに行って上げるよ。」
「…うん。」
嬉しそうにするアスランを見てキラはアスランに愛しさを感じる。
そうして二人はお互いに肩を寄せながらアスランの部屋へと向かって行ったのだった。
その頃休憩室に残された4人は、
「あの二人、何しに行ったの?」
シンは純粋なまでにそんな質問をした。
その質問に他の3人は何て鈍感なんだと驚いた。
「あのなぁ、シン。その質問はないと思うぞ…;;」
「えっ?」
「お二人で積もる話があるのですわ。」
溜め息を吐くカガリに笑顔で答えるラクス。
そんな二人にシンは更に、
「話だったらここですればいいじゃん。」
「!?」
何で分からないんだ!?と更に驚く3人。
背中は冷や汗だらけである。
「あのですね…シン…。」
「シン。」
ラクスがどう言おうか迷っているとレイが話し掛けた。
そしてシンに近寄って軽くキスをする。
「////…!?」
全くもって突飛なことにシンの頭は混乱状態である。
更にレイはシンの耳に顔を寄せてある言葉を呟いた。
( )
混乱状態にありながらもシンはレイが言った事に目を大きく見開いて一気に真っ赤になる。
それから脚がカクリと折れて床にぺたりとへたり込んでしまったのだ。
「…そりゃあ…まぁ…うん…。」
「「??」」
カガリとラクスはレイが何を言ったのか分からないでいる。
しかし、シンが二人のこの後については理解したのだろうと解釈した。
「それではお二人とも…私とシンはこれで失礼します。」
「はぁ。」
「えぇ。」
レイはいつもは無表情なのに軽く笑みを作ると、
「私たちも一緒の時間を大切にしたいので。」
っと、言ったのだった。
それで二人は苦笑いをするとレイは床にへたり込んでいるシンを引っ張って行った。
「部屋に行ったらさっきの言葉を現実にしてあげようか?」
「えっ!?」
「言っておくが本気だぞシン?」
シンはまだふらふらする脚をレイに支えながら歩いていた。
拒否権はなさそうだ…。
「…馬鹿///」
そうして二人も部屋へとゆっくりとした足取りで向かうのだった。
更にその後の休憩室…。
「…、なぁラクス;;」
「何ですか?カガリさん?」
「私たちは一体何をしにきたんだ?」
「そうですわね…。キラとアスランを幸せにさせてあげたということではないですか?」
「…そうだな…。余計なおまけもあったが…。」
「私は皆さんが幸せであればいいですわvv」
「まぁそうだが…;;しかし…それでまたラクスは萌えと言うものが得られるのか…?」
「そうですわvvカガリさんvv」
ミネルバとの交流会のはずなのに何をしているんだかと溜め息をつくカガリと、
幸せそうにウキウキするラクスの姿がそこにあったのだった…。
「幸先が不安過ぎる…;;」
弟の幸せを願いつつもミネルバとAAの先行きにこんなメンツでいいのかと不安を感じるカガリだった…。
今回は初デス種側でのネタ!!
+初レイシン&アスキラ!!
新しいことしてみようと思ってやってみましたvv
しかもかなりのいちゃいちゃ&笑いたくさんてんこ盛り♪
今度もこういうネタ書いてみようかな…。
意外と楽しかったvv
いつもの真剣な小説もいいけどこういうのもたまにはいいもんだ★
それでは次回の作品をお待ちになってくださいvv
頑張ってデス種カップルも押し進めて行きますのでvv
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