最近アスランとニコルは退屈していた。

何もすることもなく、ただ毎日をボーっと過ごす。

そんな二人は退屈を凌ぐ為に面白い催しを考えていた。

それは、キラにとって最悪の事態をを招いてるとも本人は知らずに…。









王様ゲーム?








ことの始まりはアスランとニコルの考えから始まった。

二人は退屈していて、楽しい事はないかと思っていた。

そして、思いついたのは、ある遊びだった。

その名も、











『王様ゲーム』












二人はそれにキラを混ぜる事を考えていた。

目的はキラにあることをさせるためだったから…。








「お〜い。ディアッカ、イザーク。ちょっと待ってくれ。」

「ん?」

「なんだ、アスランじゃないか。」




突然、アスランに声を掛けられて、振り向いたイザークとディアッカ。

アスランが自分たちに声を掛けるのは珍しかったので、ついつい足を止めた。



「どうかしたのか?」



そう言ったのは、イザークだった。



「実は、ニコルと暇だからみんなでゲームをしようと思って。」



なんとも、唐突な話である。

いつもは、キラの取り合いで喧嘩ばかりしているイザークとアスラン。

二人の仲はキラという人間のおかげでなんとか平行を保っている。

その喧嘩相手のアスランがイザークに声をまともに掛けるのは珍しい。

だからなのかイザークは、



(何か悪いものでも食ったのか?)



などと、思っていた。

アスランにとってこいつは餌食だ。などと思われているが…。



「キラにはもう言ってあるから、二人とも来ないか?」



イザークは参加するか迷ったが、

『キラ』と言う、名前には反応した。

そして、しばし考える。




(こいつと、一緒なのは嫌だが、参加しなければニコルに呪われかねん。

 前にディアッカが断って、2〜3日ほど体調不良を訴えたことがあったな…。

 しかし、そんなことより、アスランとキラを一緒にするのは危険すぎる。

 二人きりにすればアスランがキラに何をするか分かりゃしないからな…。)




などと、ずっとぐるぐるとしていると、

とどめとばかりにアスランが、



「別に参加しなくても構わないよ。俺としてはキラと一緒に居られるからね。」



と、言われた瞬間。イザークは、



「参加してやる!!」



と、見事にイザークは罠にハマった。

もちろん。アスランが心の中でガッツポーズをしていたのは言うまでもない。



「ディアッカはどうする?参加するか?」



アスランは、ディアッカにも聞いてみる。

もちろん、確信犯でだ。



「イザークが行くなら俺も行こうかな。姫さんとも会えるし。」



っと、更にディアッカも罠にハメた。



「それじゃあ、俺は先にニコルと俺の部屋で待ってるから。」



そう言って、さっさと部屋へと帰って行った。

アスランが去っていた後、ディアッカは、



「アスラン。何か企んでるんじゃないの?」



と、イザークの方に振り返り聞く。

すると、イザークは、



「何か企んでいる事は確かだが、あいつをキラと一緒にさせる分けにはいかん。」



なんだか、すでにアスランと、キラの争奪戦を繰り広げる気になっていた。



(おいおい…、頼むからマジ喧嘩にはなるなよ…。)



などと、少し神様に願うディアッカだった。









その後、メンバー全員はアスランの部屋に集合した。



「遊ぶって言ってたけど、何するの?僕すごく楽しみだな。」



と、何も知らずに喜んでいるキラ。



「キラ、すっごく楽しい事するんだよvvみんなで集まったんだから。」



と、ものすごく何かを企んでいるアスラン。



「キラさんと一緒に遊べるのって嬉しいですよねvv」



と、何も企んでいないような澄まし顔のニコル。



「キラ、あまりそいつに近づかない方がいい。俺の方に寄っていろ。」



と、キラの肩を掴んで自分の方にたぐり寄せるイザーク。



「おい。ニコル。お前絶対何か企んでるだろ…。」



と、率直に聞いて、呪われそうなディアッカ。

そんな、メンバーで一体何をするのか?

と、他の人だったら聞きたがるであろう。



「まぁ、みなさん楽しく遊びましょうよ。」



そして、この場を仕切ることをするのはニコルであった。



「今回はですね。みなさんで『王様ゲーム』をしましょう。」



ニコルが言うと、キラが。



「わぁvvすっごく楽しそうだねvv」



と、瞳を輝かせた。



「ちなみに王様の命令は絶対ですからvv」



その言葉に、ディアッカとイザークは身の危険を感じていた。

なぜなら、ニコルの笑顔の後ろの方で黒いものが蠢いているように思えたからである。








そして、地獄の王様ゲームが始まった。



「最初の王様誰ですか?」

「あっvv僕、僕vv」



キラが王様の王冠のマークの入った割り箸を見せた。



「キラが王様かvv一体なんの命令をするのかな?」

「頼むから絶対まともなのにしてくれ…。」

「姫が命令ならそんな難しいものじゃないだろ。」



と、みんながキラの命令の内容を気にしていた。

しかし、優しいものを期待していたみんなの思いを裏切る一言。



「じゃあ、2番の人が…僕の代わりに、隊長にさっきの花瓶を割ったのは僕ですって言ってvv」



などと、絶対に無理だと思うことを言った。

みんな、思ったことは一つ…。



『『『『あの恐ろしい隊長に謝るなんて不可能だ…。』』』』



キラは、誰が2番なのか気になっている。

そして、手を上げたのは、



「キラ…。俺が2番だよ…。」



っと、おずおずと手を上げるアスランの姿…。

みんなは同情の眼差しを向ける。



「がんばってくださいアスラン…。」

「まぁ、せいぜい隊長に怒られてくるんだな。」

「隊長はこっわいよ〜。」



と、それぞれの思い思いの言葉を掛ける。

しかし、ふと思ったアスラン。



「キラ…。なんで花瓶を割っちゃったの?」



それには、みんな納得とキラの方を見る。



「実は…さっき、隊長の部屋の前を通った時、急いでて花瓶にぶつかっちゃったの…。

 それで、謝らなきゃと思ったんだけど、怖くて謝れなかったの…。」



そりゃぁ、あの怖いクルーゼ隊長の事だ、

おこごとを散々言われるのは目に見えている。

もし、キラが謝って怒られたらキラはすぐに泣いてしまうだろう…。

そして、アスランは、



「俺でもちょっと怖いな…。」



と、ボソリと呟いた…。

すると、キラは…。



「やっぱり駄目…?」



と、アスランを上目遣いで可愛く覗き込む。

そんな仕草にアスランは、



(うっ…///可愛い…。)



などと、考えていた。

そして、そんなキラの為に決意する。



「キラ、俺が謝ってきて上げるよ。」



そう言って、部屋を後にした。



そして、一時間後…。

説教をかなり受けたらしいアスランはやつれて帰ってきた。

他のメンバーは、



(((お気の毒に…。)))



そう思って、何も言えなかった。

キラはアスランに駆け寄り。



「アスラン…、ごめんね。僕の変わりに…。」



と、アスランに頬にキスをした。

すると、アスランは、いきなりキラを抱きしめ、



「キラvv俺なら大丈夫vvキラの為ならこのくらいなんでもないさ。」



と、元気を取り戻したのであった。

その行動を取ったアスランに、

イザークは飛び蹴りを喰らわす。



「ええい!!アスラン!!キラにくっつくな。キラが穢れるだろう!!」



そう言って、アスランを引き剥がすと、アスランにもう一度蹴りをくらわした。

それを見ていたニコルは、



「そうですね。早く進めましょう。」



と、くじを引くことを優先にさせた。








その後、更に命令は過激なものとかした…。

ニコルが王様になると、やばい青汁を飲まされイザークは死にかけたり、

黒魔術を使って、呪いの実験台となったディアッカが苦しみ。

アスランが王様になると、ヴェサリウスの艦内を雑巾がけするディアッカの姿が見かけられ、

イザークが王様になると、ニコルは恥ずかしい過去を暴露するハメになり、

キレたニコルがこっそり仕返しをして、これまたイザークは死にかけたりした。

ちなみに、ディアッカが命令したことは、呪いを解く事だった。



そんなこんなで、最後の王様が決まる事となった。



「これで、最後ですし、ルールを少し変更しましょう。」



それに対し、アスランは微笑み、イザークとディアッカは息を上げていた。

二人に至っては、早く終わらせたかった。



「どんな、感じにするの?」



キラと言えば、至って簡単な命令しかなかったので、

別に傷つくこともなく楽々と質問していた。



「それはですね。最後の命令は明日一日有効というものです。」

「なにぃ!!一日だと!?そんなの無理に決まってる。」

「そうだぜ、ただでさえ死にそうなのに…。」



すると、ニコルは笑顔で、



「当たらなければ、いいんですよ。」



そして、ニコルはイザークとディアッカに手招きをする。

二人は何だ?と思いつつもニコルの側に寄った。



(実はですね…。)



と、何やら話し合っているらしい。

キラは、仲がいいんだね。と勘違いして、

企みを知っているアスランと遊んで待っていた。



「ほう。それはなかなかおもしろいな。」

「いいねぇ、それ…。俺も賛成かな。協力するよ。」



そして、キラの方を向いた二人。

何だか笑みが零れている。

キラは、この先の運命を知らなかった…。



そして、最後のくじが引かれた。

もちろん、細工がしてあったり、

ニコルが王様のくじを引いた。



「王様は僕ですね…、それじゃあ、言いますよ…。」



そして、ふと、キラの後ろに居る他のメンバーを見る。

アスランは、3番と指を見せる。

イザークは、2番を。

ディアッカは4番と見せた。

そして、ニコルはにやりと微笑むと、



「1番の人が、明日一日中セーラー服を着て過ごしてください。」



すると、キラがビックリした顔をする。



「えぇ!?そんなの恥ずかしくて無理だよ!!」



ものすごく抗議してきた。



「駄目ですよ!王様の命令は絶対です!!」



そう、ニコルは押し切る。

すると、アスランたちが、



「大丈夫だキラvv他の人に見せろとは言わないよvv」

「そうだ。一日中部屋に居て過ごせばいい。」

「もちろん。俺たちは絶対見せる条件だけどね。」



と、はっきりと言い切る3人にキラは、



「絶対、嫌〜!!」












次の日…。



「わぁ、キラさん似合ってますねvv」

「キラすごく可愛いよvv写真撮っとこうvv」

「他の奴らには絶対見せてはやりたくないな。」

「姫さん、めっちゃ可愛いぜ。」



などと、大賛辞を述べていた。

キラといえば、かなり恥ずかしいらしく、スカートの裾を引っ張って、

あまり足を見られないようにしていた。



「うぅ…。みんな最初からこれが狙いだったんだ…。」



顔を真っ赤にして今日一日は絶対部屋から出ないと頑なに誓ったのだった。




ちなみに。

その日一日は、他の4人がキラの面倒を見て、

他の人が写真を撮ったりしないようにしたり、

触ったりしないようにして、一日中キラから離れなかったとか。



















キラがハメられてちょっと可哀想だったけど、
可愛いから全て良し!!
ちょっと面白い感じにできたし、
自分の目的も達成できたので何も言わなくてもいいかも。
(↑だけど、言ってる…。)






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